大型セダンに乗る理由
車を1台のみ所有していた頃は、取り回しが悪く、狭い道が走りにくいであろういわゆる「大型セダン」など乗ろうと思った事など一度もありませんでした。
基本的にMTのスポーツカーが大好きな自分にとって、たとえハイパワーであってもロング・ホイールベースの大型セダンなんて欲しいとは思いませんでした。
セダンに乗るのであれば中型が取り回しと乗り心地のバランスが取れていて丁度良いのでは?と思っていました。
ただし、「一度ぐらいは乗ってみよう」と興味そのものはあったので、神戸市西区にあったTOYOTAの「RIDE ONE」でセルシオを借りて乗ったことが一度だけありましたが、それでも買おうとは思いませんでした。
注)RIDE ONEというのは、500円だったか1000円だかを払えば好きなトヨタ車を借りることが出来る、というすごく面白いシステムでした。現在のMEGA WEBのようなシステムですね。
ところが、車を2台以上持つようになると、「片方がスポーツカーならばもう一台は大型セダンと言う選択肢もあるのではないか?」と思い始めました。
そもそも車そのものが大好きなので出来ればいろいろな車に乗りたいと思っています。たとえそれが軽トラであってもです。
しかもある時、大型セダンというのは新車時はすごく高いのでおいそれと買うわけにはゆきませんが、中古車になると面白いぐらいに値段が下がることに気が付きました。
もともと大型セダンが好きな方や、実際に乗っておられる方からすれば「何を今頃」といった当たり前の事なのでしょうが、こっちは大型セダンと言うのは「お金持ちの車」または「下品な車」(失礼!)と言う認識しかありませんでした。
ところが中古車の値段に関しては、乗り換え時の下取りの悪さを考えなければ「とってもお得」で、さらに言えば「買わなきゃ損」とまで思える安さです。
もちろん、故障すれば中古車と言えど新車と同じそれなりに高い修理代を覚悟しなければなりません。
それを考えてもその「安さ」と「一度ぐらいは乗っておいても良いのではないか?」という興味が勝ってしまい、Fセグメントの大型セダンを探すことにしました。
AUDI A8にした理由
大型セダンを買おうと思ったのは2016年の事でした。
このFセグメント(大型セダン)に属する車には、メルセデス・ベンツSクラス、BMW 7シリーズ、レクサスLS、マセラティ・クアトロポルテ、ジャガーXJ、等があるのですが、LSは乗っている人が多いので取り敢えずは外しました。
クアトロポルテとXJはまだあまり値落ちしておらず外しました。
カーセンサーで探して、大阪方面のお店でメルセデス・ベンツS550(W221)、BMW 750(E65)に試乗させていただきました。
どちらの車もお店に事前に電話で試乗がさせてもらえるかを確認し、気に入れば買うつもりで向かいました。
メルセデス・ベンツS550(W221)はめっちゃ楽ちん
お店の人から
「他にどんな車を考えておられますか?」
「BMWの750かAUDI A8です」
「ベンツは売るときに値がある程度付くけどBMWなんて全然ですよ」とアドバイス?を受けました。
へぇー、そうなんやって感じです。その時初めて知りました。
Sクラスって田舎でもよく見かけますが7シリーズってあまり見ないですからね。
ただ、Sクラスって実際にボンネットの前に立ってみるとちょっとごつくて「これはちょっと自分には合ってないのでは?」と思いつつ試乗させてもらいました。
乗ってみると、そのハンドルの切れ方や運転の楽ちんさにビックリしました。
「うーん、さすが。長距離走っても疲れにくいんだろうな。」と感心しましたが、この楽ちんさは「もっと歳をとってからでもいいのではないか?」と思わせるものでした。
要は乗るのは今ではない、と感じたのです。
もちろん、そのいかつさも「ちょっと違うな」となりました。
シルバーの個体だったのですがそれでもいかつい感じで、これが黒だとよー乗りません。
BMW 750i は速い車だが・・・
試乗の際にお店の人から
「この車、アクセルを踏み込むとめっちゃ速いんで気を付けてください」と言われました。
確かに速いです。
ただ、セレクター・レバーがコラム式なのに慣れていないせいかとっても使いにくい。
おまけに
「ドアミラーはちょっと不具合があって電動で折りたためないんです」
「えっ?」
「ミラー、折りたたむ必要があります?」
いやいや、あるでしょ!
チーン、でした。
AUDI A8は自分にピッタリだった
先ずは自宅の兵庫県から呉(広島県)まで見に行きました。
現車確認をしてみてビックリ。
リアシートの座面がザックリ割れていました。
「こんな事ってある?」っていう状態でした。
ネットの写真ではよくわかりませんでしたし、リアシートがあんな風に切り裂かれたようになっている車は初めて見ました(それ以後もないです)。
おまけにドアミラーをぶつけたのか「動かない」らしい。
無いな、これ。でした。
5分ぐらいで呉からトンボ返りしました。
往復600Kmぐらい走ったんですけど。
2台目のA8は別の日に三重県の鈴鹿市へ。
見せてもらうと
「パドルシフトが壊れている」らしい。
うーん、これも無いのか。
3台目は横浜へ。
グレーの個体でしたがなんかお店の雰囲気も車の雰囲気もダメだったのでパス。
ついでに同じ横浜でメルセデスのCLSを試乗させてもらったのですが、フロントウィンドウがすごく寝ていて圧迫感がすごい。
これって私の足が短いせいなのか?そうだな、多分。
で、パス。
3台目は東京の吉祥寺に1泊2日で出かけて、先ずは千葉の柏市へ。
そこでは、事前に電話を入れていたため洗車してお店の見えやすい位置に出してくれていました。
ボディカラーは黒だったのですが、これがメチャメチャカッコいい!!
一発で気に入ったのですが、いざ営業の方と話をしてみると
「関西の方って結局はお金なんでしょ?いくら引けばいいですか?」
なんだそれ?
おまけによくあるパターンで諸経費やら何やらがいっぱい乗っかって見積もりが膨らんでいました。
何か不快な店でした。
以前にCLSの見積もりで100万円ぐらいアップになったなんとかステージっていう会社と同じやり方でした。
車はカッコよかったので気に入ったのですが、買う気は失せました。
で、最後は三鷹にあるお店へ。
お店の人曰く、「長距離乗っても疲れませんよ」らしい。
試乗してみて思ったのは、
「あれ?スポーツカーと同じ感覚で運転が出来る」と言うことでした。
Sクラスや国産車の楽ちんさとは全く違う「ドライバーズ・カー」だったのです。
同じ時期に乗っていた987ボクスターとある意味同じような運転感覚で乗れたのです。
もちろん、スポーツカーとは物理的な大きさや重さが全然違うのですが、「運転を楽しむために作られている」感じがすごくするのです。
映画「トランスポーター」で主人公のフランク・マーティンが運転しているのはBMW735やAUDI S8なのですが、BENZのSクラスで無いのがよくわかりました。
シャンパン・ゴールドのA8にした理由
ここで見たA8に最終的には決めたのですが、色に関しては黒の方が圧倒的にカッコいいです。
これは本当に。
しかしながら、ソリッド・ブラックのボクスターをいつもきれいにすることに疲れていたので、出来れば「あまり洗車しなくてもいい色にしたい」とも思っていました。
黒の威圧感に比べて、シャンパンゴールドは「優しそう」なんです。
おまけにそのお店も三鷹という土地柄なのか、
「黒いベンツやレクサスは置かないようにしています」らしい。
そんなお店もあるんですね。
ということで、そこで買ったのですが唯一ペケだったのが
「すみません、スペアキーがないんです。いいですか?」
と、納車直前に言われたこと。
結局、スペアキーだけを姫路のディーラーで作ってもらいました。
2万円ほどしたと思います。
勘弁してほしいです。こういうことは。
でも、AUDI A8は気に入っています。
そのとっても気に入っていたA8ともお別れの日が近づいて来ました。